日本の畜産の現状
日本でお肉を選ぶ時、なるべく国産の肉を選ぶようにしていると思いますが、
国産だから安全っていうことではなく、有機畜産(有機JASマークが付いているもの)でなければ、
以下のような飼育の仕方のようです。
鶏
まさにこの今、現代の日本でも、多羽密集飼育、いわゆる密飼いが主流になっています。
飼育羽数が増える反面で、飼育戸数は減っていますから、
一戸当たりの飼育羽数は大幅に増えていることになります。
ブロイラーは昭和49年に一戸あたり約6000羽であったものが、昭和59年には二万羽になっています。
鶏のうち利用されないのは鳴き声だけなどと言われるほど、経済的に利用されつくしています。
ブロイラーの飼育場は窓がなく、電気も薄暗くしてたくさんの鶏を育てているところが多いようです。
餌を効率よく肉にするため、あまり運動もさせません。
隣の鶏をつつくことを防ぎ、餌も食べやすいようにと雛のうちにくちばしの先を削り取ることも行われます。
ブロイラーの場合、一坪あたりの飼育羽数は60~70羽にもなるといわれています。
豚・牛
最近は豚もケージ飼いや、窓のない豚舎で密飼いされることが多く、
坪当たり6~7頭に及ぶ場合もあるようです。
なお、肉牛については、鶏や豚ほど飼養頭数は変化していないものの、乳牛の方は大幅に増加しています。
肉牛肥育場では、牛乳を絞り終わった老廃牛としての乳牛が、肉用牛として飼われることがあります。
酪農家から安く買われてきた老廃牛(乳牛)は,すぐに絶食させられます。
なぜなら、乳をたくさん出させるための飼料で育った牛は脂肪分が黄色いので、
まずこれを落とす必要があるためです。その後で濃厚飼料を一度に食べさせると、
全体に白い脂肪がのって霜降りのようになり、商品価値が高くなるとされています。
牛たちも、やはり狭い屋つきの牛舎で飼われ、太陽光線もストレスの原因になるとの理由から、
日光を浴びることもありません。
こうした無理な飼育環境や糞尿のアンモニア臭などが、家畜のストレスを増強させ、
細菌感染も起こしやすくさせています。そのため抗生物質などの薬や栄養剤などが多様され、
いわゆる「薬づけ畜産」といわれるような現象を引き起こす元ともなっています。
以上のような,畜産動物の自然的生理を損なう大量生産方式は、
見直されるべき時期にきているのではないでしょうか。
日本でも2~30年前ほど前まで、牛は草を食べ、豚は残飯を平らげ、鶏は地面をつついていました。
畜産が産業として盛んになるにつれて、飼料の中身も変わり、
今でも牛は草などが中心ですが、日本やアメリカのように霜降りが好まれる国では、
穀物などの濃厚飼料が多くなってきました。
(「動物たちを助けるためにできること - 日本の畜産の現状 - 」より)
環境について
日本最大の畜産地帯の熊本、宮崎、鹿児島の家畜飼料のほとんどすべては海外から輸入されており、
家畜の排泄物の多くが地域内に廃棄されている。
廃棄された排泄物が窒素成分として土壌に入り、地下水も汚染されている。
家畜の飼育頭数、排泄量、大地の広さの均一性が保たれてはじめて、排泄物が堆肥となり、
農産物の生産に結びつく。これが本来の自然の循環であり、バランスのとれた農業である。
しかし、せっかく排泄物を堆肥にしても、使用する場がない。
日本の畜産地帯の現状は、家畜の飼育頭数と生産品目と面積に整合性はなく、単に排泄物が廃棄され、
環境破壊に結びついているのだ。 これは、大規模集団飼育の問題点である。
アメリカでも同様に大量の家畜の排泄物が廃棄されている。
これまで日本の大規模家畜餌育がアメリカほど早い時期に問題にならなかったのは、
日本の場合、年間の降雨量が多く、窒素成分が大地に留まらず河川から海に流れ込んできたためだ。
しかし、それもぽつぽつ限界に来たことを南九州各地の環境が示している。
農業の安定とは、自然環境が維持されたうえに成立し、国土の自然環境すべての安定した持続が原点である。
国土とは、そこを流れる河川と、その河口から国土に隣接する海岸線と、公海のすべてをも含む。
瀬戸内海の赤潮の原因は窒素過多が大きな原因の1つであることを思い浮かべたい。
(「道元の教えに学ぶロハスデザイン - 有機農業の必要性 - 」より)
→ 日本の畜産の状況
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