このブログは、メインブログ "tremplapin blog" 中の、エコロジーや、食、健康についての記事を取り上げ、
たいした知識はないですが、私なりに少しでも多く、地球に恩返しをするため、もうちょっと深く地球のことを考えたブログです。
いろいろなHPなどからの文をお借りして書いています。
偏った調べ方だったり、矛盾した考えがあったりするかもしれませんが、私の勉強がてら、みなさまが意識するきっかけになればと思います。
初めは、自分や家族の健康維持を考えることから意識し始めた、添加物、遺伝子組み換え、食肉のホルモン剤や抗生物質、予防接種などの問題が、
今 世界中で起こっているさまざまな問題に繋がっていることに気づき、一人でも多くの人に伝えたいという思いで始めました。
自分達の健康を見つめ直すことが、エコロジー(生態学)と繋がっていると思います。
母なる愛する地球に、少しでも多く「ありがとう」を言うために。


2010/01/28

遺伝子組み換えのこと。5


社会問題・環境問題

インドにおけるモンサントのビジネス戦略

インドは世界第三位の綿花の生産地ですが、2005年に根腐れ病によって大きな被害が出ました。
そこで モンサントがインドの映画俳優を使って、読み書きできない農民に不法な値段で
インドの農民たちに "害虫を寄せ付けない、殺虫剤使用量78%減・収穫量30%増"と謳った
遺伝子組み換え綿花の種子を買わせました。
売りつけたのは種子だけでなく、モンサント所有の農薬や化学肥料とともに。
農民は多額の借金をしてこれらを買います。
さらにシーズンの終わりに判明したのが、遺伝子組み換え種子には灌漑設備が必要であること。
種が売られたのは天水農業のみで、灌漑設備のないマハラシュトラ州のヴィダルバ農民はそれを知りません。
袋に英語で説明がありましたが、農民は英語はおろか字も読めません。
つまり農民は はめられたのです。

予想以上にその栽培方法は難しく、綿花から病気が発生したり、さらに在来種にも病気が移り、
収穫が激減してしまう農家が続出します。
さらに種はモンサントの特許品なので、昔からの慣習であるにもかかわらず、
収穫後も種は保存させてもらえません。
同社は農民が採種して翌年に撒くという、自然な慣行を禁じました。
農民が賢く手をかければ、渇水ややせた土壌、虫害など 厳しい環境で生き延びた種を
何百年も繰り返し保存することで、その土地に適した種ができあがります。
農薬なしでも虫や乾燥に強い種ができるのに、農民は種を取らせてもらえなかった。
これにより農家は前代未聞の借金に見舞われます。
種の価格は従来の1000%。その上、農薬と肥料も買わせられます。
借金を重ねて種を買い足すものの、うまくいかず自殺を図る農民が増えました。
インドの農民たちが毎月1000人以上も自殺していて、この1年間にすでに13万人を越える農民たちが
相次いで自ら命を絶っていると言います。

メキシコのトウモロコシの遺伝子汚染

メキシコは、トウモロコシの原産国で、150種もの在来種を世界で最もよく守られてきた国でした。
1万年以上前から受け継がれてきた在来種のトウモロコシは、肥料や殺虫剤を使わなくても元気に育つのです。
農民たちは、種子を買わずに、翌年用に収穫したものの中から良いものを撒いて栽培を続けてきました。

ところが北米自由貿易協定(NAFTA)によって、国内で栽培を禁止してきた遺伝子組み換えトウモロコシの
大量輸入を阻止できなくなり、市場に出回るトウモロコシの40%を占めるようになりました。
遺伝子組み換えトウモロコシはアメリカ政府から多額の補助金を受けているので、
在来のものの半額で売られています。
2001年、野生の在来種トウモロコシが、遺伝子組み換えの遺伝子と交配して、
遺伝子汚染されていることが発覚しました。
この遺伝汚染の勢いは凄まじく、ある農民指導者は、モンサントの息のかかった何者かが、
意図的に遺伝子組み換えの花粉を散布しているのではないかと疑いました。

農村では、畑に異常がないか十分に注意し、奇形のトウモロコシを見つけたら、
すぐに雄しべを取り除くように呼びかけていました。
しかし、トウモロコシの花粉は風で遠くまで運ばれて受粉するので、自然界に放たれた
遺伝子組み換えトウモロコシが在来種と交配するのは不可避であり、
伝統的在来種に制御不能な影響が及ぶことが恐れられているのです。

南米パラグアイへの除草剤耐性大豆の侵出

モンサントはパラグアイで生産される大豆についても特許使用料を徴収する権利を得ました。
パラグアイでは農地の70%を人口の2%が所有し、小規模農家の排除が容赦なく進んでいます。
至るところで飛行機や大型散布器から散布された除草剤が小規模農家の居宅や畑のすぐ近くまで迫り、
住人、家畜、家禽の健康被害を起こし、作物を枯らしています。
畑の近所の家では、人々に皮膚疾患が表れたり、食欲が低下するなどの症状が表れ、
水質汚染により、小川にいた鴨と雁が60羽も死ぬという状況に陥り、
小規模農家だった10万人もの人々が、スラムに転居しています。

小規模農家代表のホルヘ氏は、「バイオテク農業と伝統的農業は相容れない農業モデルであり、
前者は地域社会や小規模農家の暮らし、生物多様性、生きるために必要な天然資源を破壊し、貧困と死をもたらす。モンサントの目的は農民抜きの農業で世界の食糧を支配し、農民から自給自足能力を奪っている。
自分達の農業を続けるべく、家族、地域、祖国を守るために闘わねばならない」と語ります。


[参考記事]


→ インド綿花生産者の自殺とモンサントの戦略(インディーサテライト)

 金融危機の次は食糧危機の到来か 遺伝子組み換え作物の光と影(浜田和幸)



● NHK BS世界のドキュメンタリー「アグリビジネスの巨人"モンサント"の世界戦略」
 原題 : The World According to Monsanto 
 制作 : ARTE(フランス)2008年

2 件のコメント:

  1. モンサントという会社の名前を初めて知りました。
    ベトナム戦争時の枯葉剤もモンサント製なのですね。
    ベトちゃんドクちゃんのことは日本でも有名ですが、モンサントの名前は表には出てきません。

    経済的成功を得る代わりに、本当に大切なものを失ってしまう。
    経済大国は多くの犠牲を元に成り立ってきたのだと思うと戦慄を覚えます。

    自然の摂理にそむいては、必ず報復がやってきます。
    所謂「神の領域」に手を出してしまった人間の罪が、
    環境破壊し、そしてしっぺ返しはもう始まっている。

    完全に昔に戻ったり、歴史を変えたりすることは不可能だけれど、
    何か突破口はないものかと思います。
    諦めるのは、あまりに無力で悲しいですから…

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  2. チカちゃん
    "もののけ姫"が言うことと全く同じよね。

    絶望してるだけじゃ始まらない。
    無力さに落ち込む時もあるけど、
    そわそわ・モヤモヤしながらも、なにか始められてるような気もする。
    まずは知っていくことが大事。メディアに頼らない!

    「なんとかなんなきゃ」が
    いつか「なんとかしなきゃ」のカタチになるといいな。

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